USB4のケーブルが発売されているとのニュースを見かけました。データ転送速度は現行の3.1gen2の倍以上である40Gbpsです。
USBのバージョンは3.の世代で複数存在していて、PDも絡んで訳の分からない事になっていましたので、とりあえずネーミングで4にしてくれたのは少し分かりやすくなったのかなと思います。もうgenとか辞めて欲しいですね。
で、本題ですが、素敵なニュースである事は間違いありませんが、残念ながら「接続する機器側」がUSB4に対応していません。
つまり、現時点ではこれを購入してもとりあえず転送速度に関しては40Mbpsの爆速の恩恵を受ける事は出来ないのです。
今回はこのUSB4の詳細について、そしてカオス状態となっているUSB3.シリーズやPD(パワーデリバリ―)のおさらいをまとめようと思います。
目次
USB4の詳細
USBの最新規格
・タイプCケーブル(両端)
・PD対応
・最大転送速度40Mbps
・USB3.等と下位互換あり(下位の速度に依存)
・Thunderbolt 3と互換性あり
冒頭に記した通り、接続機器がUSB4に対応していれば、転送速度の40Gbpsの速度が出ます。
またPD(パワーデリバリー)も同じく、機器側に依存はしますが、対応していれば最大100Wの電力の供給、ディスプレイポートによる映像の転送も可能になります。
3.1gen2規格の転送速度がより早くなった感じですね。
対応機器
今のところ、対応している機器はないみたいです。
タイプCのインターフェイスを実装しているPCはよく見かけるようになりましたが、それでもPDには対応してないとか、その他ディスプレイ等に至っては未だタイプAのインターフェイスしかないものがほとんどです。
そんな中でのUSB4、かなり見切り発車のような感じは否めませんが、これを機に接続機器がPD対応、USB4対応になって行くかもしれません。
USB過去規格の特徴
USB3.0まで
過去規格の詳細は過去記事でまとめていますので、是非参考にしてください。↓
規格 | データ転送速度 | 供給電力 |
USB2.0 | 480Mbps | 5V,0.5A,2.5W |
USB3.0 | 5Gbps | 5V,0.9A~2A,4.5~10W |
目安ですが「TypeA~C、micro USB」端子で接続した際の能力値です。
TypeCケーブルでも全て下位互換で使用できます。
USB3.1以降
規格 | データ転送速度 | 供給電力 |
USB3.1Gen1(3.0と同じ) | 5Gbps | 5V,0.9A~2A,4.5~10W |
USB3.1Gen2 | 10Gbps | 5V,3A,15W |
USB TypeC PD | —- | 5V~20V,100W |
PD以外は「TypeA~C、micro USB」端子で接続できます。
ややこしいですが、実はUSB3.0は3.1Gen1と同じなんです。
PDに関しては、USB3.1等の規格とは別になるので、違うカテゴリとして考えます。PDのみが両方の端子がTypeCのもので、「PD対応」のものが必須です。
PD(パワーデリバリ―)について
TypeC PDケーブルで最大100Wの電力を供給
こちらも詳細は過去記事にてまとめていますので、是非参考にして下さい。↓
TypeCのPDに準拠したケーブルを使用すれば、1つの電源からTypeC PDケーブルを通じて最大100Wの電力供給が可能になります。
ケーブルさえあれば、バケツリレー的に電力がなくなるまで機器を数珠繋ぎにして設置することが可能です。
ただし、ケーブルおよび相互のデバイスがPDに準拠している事が前提となります。
PCとモニタ複数をつなぐに場合などに便利で、各機器の電源ケーブルが不要になります。
急速充電が可能
段階的に5V~20Vを、供給先のデバイスに合わせて電力供給するので、例えば比較的充電電圧の高いPC(20V3Aとか)も電力の供給が可能になります。
つまり、余裕でスマホの急速充電に合わせて電力の供給ができます。(5V 3Aとか)
100Wが最大なので、例えばPCの後にスマホを数珠繋ぎしていても、仮にPCで60W消費したとしても残り40W分の電力があるので、余裕でスマホの急速充電が可能ってことですね。
充電ケーブルもデバイスの数だけ用意する必要はなく、スッキリします。
オルタネートモード
ディスプレイポート
オルタネートモードは、従来のUSBデータ通信以外の通信を利用できる機能です。
ファイルの転送はもちろん、TypeC PD(デバイス相互、ケーブル)がオルタネートモードに対応していれば、「ディスプレイポート」の機能によってTypeC PDケーブルから映像を転送することもできます。画期的ですよね。
話それますが、任天堂スイッチはディスプレイポートっぽい機能に対応してます、ただTVが対応してない(TypeCのポートついてるやつあまり見たことない)からドックでHDMIに出力変換してるんでしょう。
ちなみに、TypeC PDに準拠していればおおかたディスプレイポートに対応しているみたいです。確認は必要ですけど。
ロールスワップ
これは従来のUSB接続は「接続元」と「接続先」でポジションが決められていたのを、自由に入れ替えが可能になるといった機能です。
デバイス同士は1本のTypeC PDケーブルでつながれていますが、電力の供給先を自由にA→B、B→Aとスワップできる事ですね。データの移動もしかりです。
めちゃくちゃ便利ですよね。PDでUSBに一気に革命が起きた感じがします。
まとめ
USB3.1gen2のPDがまだまだ普及していないだけに、USB4の普及もなんとも言えないところですが、考えてみればUSB3.1をすっ飛ばしてUSB4に対応させればいい話ですので、意外と早く普及するかもしれませんね。
一応2021年には、USB4対応製品が出てくるらしいです。
とにかく転送速度、PD共に素晴らしい機能ですので、対応製品をどんどん増やして欲しいところです。