無線LANのWIFIで現在主流になってるのは「ac」規格の5GHz帯を使用する高速通信です。
WIFIの通信規格については「a」「b」「g」「n」「ac」、次世代では「ax」などがありますが、現状使用しているのは主に「n」(公称通信速度600Mbps)か「ac」(公称通信速度6.9Gbps)のどちらかでしょう。
※WIFIの通信規格についてはコチラ↓
よく言われているのが、2.5GHz帯での電波干渉です。これは様々な電気機器が使用している周波数帯域であるため起こる現象です。電子レンジなどが干渉しやすいと有名ですね。
「n」の通信では2.5GHz、もしくは5GHzのどちらかでの通信となるため、場合によっては2.5GHzの通信で電波干渉が起こりやすい状況になり得ます。
ただ、5GHz帯の通信でも通信障害が発生する事があります。
意外と知られていませんが、気象衛星からのレーダーが5GHz帯を使用しており、このチャンネルと通信が重なってしまうと、レーダーの妨害を防ぐために通信が途切れてしまうのです。
今回はこの現象についての詳細、および回避方法についてまとめたいと思います。
目次
WIFIアクセスポイントについて
SSID「a」
WIFIのアクセスポイントはSSIDともよばれており、だいたいがルーターの製品名のあとに「a」か「g」の2種類で表示されます。
上記の過去記事にも記載していますが、基本aが5GHz帯、gが2.5GHz帯を表しています。しかし、クライアント側およびルーターが「n」「ac」に対応していれば、必然的に高速規格の通信をしてくれます。
つまり、acに対応しているのであれば、SSIDが「a」のものに接続することでac規格の通信が実現します。
SSID「g」
となれば、SSIDが「g」のものに接続すれば、「n」の通信規格で通信する事になります。このあたりは今のところ視覚で確認ができませんが、自動で高速通信のほうに制御してくれるみたいですね。
余談ですが、ちかいうちに規格が番号で表示されるみたいですので、視覚的にどの通信で接続しているのかが分かるようになると思います。
5GHz帯のチャンネル区分について
ここが気象衛星のレーダーとの影響に関わる部分になります。
大きく分けて3つの区分にわけられており、それぞれに複数のチャンネルが割り当てられています。
区分1:W52
4つのチャンネルが割り当てられており、36ch,40ch,44ch,48ch,が該当します。
ここの区分で通信していれば、気象衛星のレーダーの影響を受けることはありません。
区分2:W53
こちらも4つのチャンネルが割り当てられています。52ch,56ch,60ch,64ch,が該当します。
この区分では、気象衛星のレーダーに影響を受ける可能性があります。
区分3:W56
こちらは多くのチャンネルが割り当てられており、100~140chが該当します。
この区分も、気象衛星のレーダーに影響を受けます。
レーダーと干渉した際の影響
気象衛星のレーダーと干渉してしまうと、WIFIの通信にもろに影響がでます。
基本、「通信不可」の状態に陥ります。ただし、ルーターには「DFS」という機能があり、自動でチャンネルを変更してくれます。この機能の役割によって、約1分間のインターバルをおいて、その後通信が可能となります。
※運がわるければチャンネルが変わったところでも干渉する事があるみたいです。
レーダーとの干渉回避方法
接続をW52区分のチャンネルに固定する
基本ルーターの初期設定ではチャンネルの自動切換えがONになっているので、頻繁に5GHz帯での通信障害がでるのであれば一度干渉しないチャンネルに固定で接続するよう設定すれば症状が改善するかもしれません。
クライアントからルーターの設定画面に入れば、簡単にチャンネルの指定が可能です。
一旦「g」で接続してみる
「n」接続に変わるので、5GHzでの接続になるかもしれませんが、チャンネルは変更されますので、通信障害を回避する事が可能となります。
2.5GHzなら完全に回避できるでしょう。
「WIFI通信5GHz帯での通信障害について」気象衛星レーダーとの干渉が原因まとめ
巷では2.5GHz帯が電波干渉を受けやすいとされていますが、筆者の場合、5GHz帯でのレーダーの影響で通信不能になる事の方が圧倒的に多いですね。
最近は問題なく通信できているので、チャンネルは自動にしていますが、その時はW52に固定してました。
ac対応なら断然5GHz帯でつなげるのが早いですからね。極力5GHzで接続したいところです。
ただ、チャンネルの固定には気を付ける点があります。ルーターが自動でチャンネルを変えてくれなくなるので、近隣の5GHz帯と重複する可能性があります。(通信速度の低下など招きますね)
チャンネルを固定する際は、WIFIアナライザなどで近隣のチャンネル使用率を確認するのが良いです。