テレワークの拡大によってPCに接続するモニターの需要が増えているそうです。
それに伴って、「USB TypeC PD」に対応している機器が増えてまいりました。小型のモニターなんかは結構対応してるのがあるみたいです。
この「USB TypeC PD」はなにが便利かっていえば「一本のTypeCケーブルで電源から映像からデータからすべて事足りる」からなんですね
作業机にモニターが3つ位並んでいても、PCから一本のラインで数珠繋ぎ出来るのでわざわざそれぞれの電源を確保しなくてもよくなり、配線に気を遣う必要がなくなります。
USB TypeC PDの主な特徴は下記の通り。
1.PD(パワーデリバリー)
・1つの電源からTypeC PDケーブルで最大100Wの電力をバケツリレー的に対応機器に供給できる。
・急速充電が可能。
2.オルタネートモード
・電源以外にディスプレイポートを設けることができる。
・Thunderbolt 3と互換性あり。
3.ロールスワップ
・USB接続の受け手側と供給側を入れ替える事が可能。
かなり魅力的です。
ただ注意しなければならないのが、これはあくまでも「TypeC PD」の規格に沿ったものであって、通常のTypeCとは別物になります。
少々ややこしいので、「TypeC PD」についてまとめたいと思います。
※過去のUSB規格についてはこちらでまとめています。是非参考にしてください。↓
目次
USBの規格ごとの特徴
USB3.0まで
規格 | データ転送速度 | 供給電力 |
USB2.0 | 480Mbps | 5V,0.5A,2.5W |
USB3.0 | 5Gbps | 5V,0.9A~2A,4.5~10W |
目安ですが「TypeA~C、micro USB」端子で接続した際の能力値です。
TypeCケーブルでも全て下位互換で使用できます。
USB3.1以降
規格 | データ転送速度 | 供給電力 |
USB3.1Gen1(3.0と同じ) | 5Gbps | 5V,0.9A~2A,4.5~10W |
USB3.1Gen2 | 10Gbps | 5V,3A,15W |
USB TypeC PD | —- | 5V~20V,100W |
PD以外は「TypeA~C、micro USB」端子で接続できます。
ややこしいですが、実はUSB3.0は3.1Gen1と同じなんです。
PDに関しては、USB3.1等の規格とは別になるので、違うカテゴリとして考えます。PDのみが両方の端子がTypeCのもので、「PD対応」のものが必須です。
PD(パワーデリバリ―)について
TypeC PDケーブルで最大100Wの電力を供給
前途した通り、TypeCのPDに準拠したケーブルを使用すれば、1つの電源からTypeC PDケーブルを通じて最大100Wの電力供給が可能になります。
ケーブルさえあれば、バケツリレー的に電力がなくなるまで機器を数珠繋ぎにして設置することが可能です。
ただし、ケーブルおよび相互のデバイスがPDに準拠している事が前提となります。
PCとモニタ複数をつなぐには便利。各機器の電源ケーブルが不要になる。
急速充電が可能
段階的に5V~20Vを、供給先のデバイスに合わせて電力供給するので、例えば比較的充電電圧の高いPC(20V3Aとか)も電力の供給が可能になります。
つまり、余裕でスマホの急速充電に合わせて電力の供給ができます。(5V 3Aとか)
100Wが最大なので、例えばPCの後にスマホを数珠繋ぎしていても、仮にPCで60W消費したとしても残り40W分の電力があるので、余裕でスマホの急速充電が可能ってことですね。
充電ケーブルもデバイスの数だけ用意する必要はなく、スッキリします。
オルタネートモード
ディスプレイポート
オルタネートモードは、従来のUSBデータ通信以外の通信を利用できる機能です。
ファイルの転送はもちろん、TypeC PD(デバイス相互、ケーブル)がオルタネートモードに対応していれば、「ディスプレイポート」の機能によってTypeC PDケーブルから映像を転送することもできます。画期的ですよね。
話それますが、任天堂スイッチはディスプレイポートに対応してます、ただTVが対応してない(TypeCのポートついてるやつ見たことない)からドックでHDMIに出力変換してるんでしょう。
ちなみに、TypeC PDに準拠していればおおかたディスプレイポートに対応しているみたいです。確認は必要ですけど。
Thunderbolt3との互換性
オルタネートモードのもう一つの特徴は、MacBook Air/Proなど、アップル製品の外部入出力コネクタ端子「Thunderbolt3」との互換性がある事です。
Thunderbolt3はデータ転送速度が40Gbpsとめちゃくちゃ高速なので、4K等の高画質映像を転送しながら他のファイルを転送する事もできそうです。
ロールスワップ
これは従来のUSB接続は「接続元」と「接続先」でポジションが決められていたのを、自由に入れ替えが可能になるといった機能です。
デバイス同士は1本のTypeC PDケーブルでつながれていますが、電力の供給先を自由にA→B、B→Aとスワップできる事ですね。データの移動もしかりです。
めちゃくちゃ便利、PDでUSBに一気に革命が起きた感じがします。
テレワークに使える便利な環境「USB TypeC PD」とは?【パワーデリバリ―とオルタネートモードについて】まとめ
少し前に家電量販店に行きましたが、確かに小さいサイズのモニタにはこの「TypeC PD」のポートが搭載されてるのが増えてきた印象を受けました。
その他はフラグシップモデルの比較的高価なスマホであったり、PCであったりで、まだまだ一般的に普及するには時間がかかりそうですが、じわりじわりと浸透してきてます。
TVなんかは1台も搭載されてなかったですが、(まあ大型は消費電力たかいからだろうけど。)冒頭に書いた通り既に在宅ワークなどではけっこう使えそうですので、モニタ数台もってる方はPDの環境を取り入れてみるのもいいかもしれませんね。