この問題もあせらずに電圧計の特性を基準として考えると非常に簡単に解ける問題かと思います。
ぱっと見文章が長めでかつ少々まどろっこしいような感じは受けますが、落ち着いて読み進めればなんてこたーない問題であることが分かります。
配線図が無いので、イメージが沸きにくい事もあったと思います。こんな時は自分で配線図を書くのが良いですよね。
令和2年 電検三種「理論問16」
(a)問題 直流電圧計の測定できる電圧最大値を求める
設問の通り、最大目盛150V、内部抵抗18KΩの直流電圧計V1と、最大目盛300V、内部抵抗30KΩV2を直列で接続した時、測定できる電圧の最大値はいくらか?という問題になります。
オームの法則により、V1に流せる電流の最大値は
150(V)÷18K(Ω)≒8.3(mA)
V2に流せる電流の最大値は
300(V)÷30K(Ω)=10(mA)
になる事が分かります。
2つの計器は直列で接続されている為、流せる電流の最大は、V1の「8.3mA」になる事が分かります。
ここまでわかればもう答えが見えますね。
8.3mA流すと考えれば、V1は最大目盛の150Vを指し、V2は30KΩ×8.3mAの約250Vが最大となります。
つまり、V1+V2が答えなので、150V+250V=400V
が答えになります。よって選択肢(4)が答えです。
(b)問題 測定電圧を450Vに上げる為の回路接続問題
b問題では、それぞれの計器の最大目盛を使用して450Vを測定するためには、どのように接続すればよいか、という穴埋め問題になっています。
まず、a問題から、計器と電流、内部抵抗、電圧などの関係は下図のようになっています。
V1、V2の計器の最大目盛を利用する事が出来れば450Vが測定出来ますが、V2を最大目盛にするためには前途したように「10mA」必要です。
となれば、V1の計器に流れる電流を、「分流」させれば、10mAを使えそうです。
V1の最大目盛に必要な電流は8.3mAなので、
10mA-8.3mA=1.7mAを分流させればいい事が分かります。
したがって、上記を踏まえれば、下図のような回路になります。
これだと、450V測定できますね。
分流させた回路に接続させる抵抗は、V1と並列にあるため、かかる電圧の最大は150V、電流の最大1.66mA、つまり抵抗の値は、「150V÷分流の電流1.66mA」で求まりますので、「≒90KΩ」となります。
したがって答えは、
直流電圧計(ア)V1 に抵抗(イ)90KΩ を(ウ)並列 に接続。これに直流電圧計(エ)V2 を直列に接続。。
となり、回答郡の(2)が正解となります。