電検三種の法規、主に攻略の鍵となるB問題で傾向的によく出題される「風圧荷重」の問題についてまとめたいと思います。
過去問を見ている限りでは、この問題はそんなに難しくはないので、もし出題されたならばラッキーと捉えてもいいでしょう。
それでは早速、過去問題を例として解き方を解説しようかと思います。
目次
平成15年度法規B問題
電線1条の風圧荷重を求める問題
図の問題を解いていきます。
風圧荷重を求める問題でまず一番気を付けるべき点は、問題文1行目にある「氷雪の多い地方のうち、海岸地その他の低温季に最大風速を生ずる地方・・・」の部分です。
この部分で、低温季における答えの導き方が変わります。(高温季は関係なし)
簡単に言えば後述する「甲種」「乙種」の、どちらを適用するかの問題です。
人家が連なっている・・の所は無視して、とにかく低温季節に「氷雪の多い地方で最大風速を生じるのか、しないのか」で、判断できます。
それではまず、問aの高温季からやります。
問a 高温季の水平荷重風圧を求める
高温季は必ず「甲種」になります。甲種の風圧荷重は「980(Pa)」になります。
電線1条、長さ1m当たりの水平風圧荷重とは、単に電線を横から見た際に、1m分の電線が受ける風圧の値の事を指しています。
つまり、その面積を求めて、甲種の風圧荷重を掛けてやれば応えが求まります。
面積は「縦×横」で求まるので、図の問題であれば縦の長さは「11.1mm」(3.7mmの硬銅より線が3つ縦に連なっている部分)になります。したがって、面積は「11.1mm(縦)×1(m)」になります。なお、計算式で縦のmmをmに換算する必要はありません。
あとはこの面積に、「980Pa」を掛けてやるだけです。
11.1(mm)×1(m)×980(Pa)=10878(N)約10.9K(N)になるので、答えは(4)になります。
問b 低温季の水平荷重風圧を求める
低温季は、基本的には「乙種」が適用され、風圧荷重は「490Pa」になります。高温季の半分ですね。
ただし、2点注意する事があります。
①氷雪の厚さを加味する
問題文に、「氷雪の厚さは6mmとする」とあるので、これを加味した電線の「面積」にしてやる必要があります。
そこで気を付ける点があり、氷雪は「電線の周囲全体に6mm積もる」と考えなければなりません。
つまり、電線を横から見た際に、上下に6mmづつ、計12mm高くなる、という事です。
念のため、横の長さには関係しません。
②最大風速によって「甲種」「乙種」の選択が変わる
問題文のように、海岸地その他の低温季に「氷雪の多い地方で最大風速を生ずる地方」とあれば、「甲種」「乙種」の両方の水平風圧荷重を求め、「その値の大きい方」が低温季の答えになります。
つまり、低温季であっても、「甲種」が適用される場合があります。
これが「最大風速を生じない地方」であれば、「乙種」が適用されます。
問題文の「最大風速」に注意することが、低温季の問題を解く秘訣になります。
低温季の計算
高温季と同じです。
上記の氷雪の厚さの注意点に留意し計算すると、
(11.1mm+12mm)×1m×490Pa=11319(N)
になります。
ただし、問題文には「最大風速を生ずる地方」とあるので、今求めた「乙種」と先ほど求めた「甲種」を比較する必要があります。
値が大きいのは「乙種」になるので、このb問題では、乙種の11319(N)、近い値の(2)11.3K(N)が答えとなります。
まとめ
「低温季で氷雪の多い地方以外の地方」なら「 丙種」を用いますが、これは問題として出ない可能性が高いそうです。(理由は忘れた。)
そのため今回は丙種を省きましたが、念のためにやっておくのもいいとは思います。
あと、引っ掛けでより線以外の被覆の厚みや、氷雪の厚さが記載されていない(これはおかしいと思うんですけど、、)過去問も見かけましたので、被覆がある場合はその厚みを加味する、氷雪の厚みの記載がなければ基本は6mmでOKだと思います。被覆については厚みの記載はありました。