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VPN接続するとスマホのパケット超過による速度制限が掛からない理由

VPN接続

コロナ禍でリモートワークをする機会が増えていると思います。

リモートワークでよく使うツールとしては、画面越しに対話が出来るズームやチームスなどが主だと思いますが、会社のLANにアクセスする事ができる「VPN接続」も、以前に増して利用されてる印象を受けます。

そしてこのVPN接続ですが、契約しているISPにもよるでしょうが、タイトルにある通り「スマホのパケット超過による速度制限が掛からない」のです。※2021/9/16 大手キャリアではVPN接続時もパケット超過による速度制限がかかるとの情報を頂きました。

例えば私は、あるMVNOと契約していますが、月のパケット上限は「3GB」になります。それを超過すれば、通常の平均通信速度である「1Mbps」に制限がかかり、「128Kbps」の低速になります。

ところが、常時VPN接続をしている状態であれば、下記の通り、パケット上限を超えても制限がかからないのです。

パケット超過
制限掛からない

つまり、端末上では3GBのカウントも、ISPではカウントされていない事になります。

このような現象は、いったい何故起こるのでしょうか?

今回はそこをテーマにして、あくまでも考察となりますが、簡単にまとめてみようかと思います。

※故意にVPN接続を利用して制限を回避するのはNGですので、お控えください。

初めに

VPN接続とは

初めに、VPN接続ってなに?を、さらっとまとめておきます。(過去記事にて詳細はまとめているので、詳しく知りたい方は参照してください。↓

 

VPN接続といっても色々種類がありますが、既存の通信網を利用する「インターネットVPN」では、「通信経路に仮想的に専用線を作り、暗号化したパケットを通す」通信になります。※以下、インターネットVPNをVPN接続とします。

通常のインターネット接続は「契約プロバイダであるISPを経由」し、目的のサイトへアクセスします。↓

端末 ⇒ ISP ⇒ WEBサイト

変わって、VPN接続は「ISPを経由し、その後に設定したVPNサーバーを経由」します。例として、家庭にVPNサーバーを立てたとすると。↓

スマホ ⇒ ISP(スマホ) ⇒ VPNサーバー ⇒ ISP(固定回線) ⇒ WEBサイト

この場合は端末のグローバルアドレスが固定回線のISPから割り振られるIPとなります。つまり、外にいながらも仮想的に家庭のLAN配下にいる状態になります。

したがって、簡単に言えば「比較的セキュアな通信で異なるLANへの接続が可能」になります。

VPN接続のメリット、デメリット

リモートアクセスと暗号化によるセキュリティ

VPNサーバーさえ立ててしまえば、権限のあるユーザーが簡単に外部からアクセス出来るのが最大のメリットです。

異なるLANにアクセス出来るので、自宅にいながら会社のPCを操作する事が可能です。まさにリモートワークですよね。

また、通信が暗号化される(ipsecなど)ので、フリースポットWIFIなど、多くの人が接続するアクセスポイントでは通信を傍受されるリスクがあるので、そういったリスクを軽減させる事ができます。

暗号化によるパケット肥大

逆に、通信を暗号化する事によって、パケットが肥大してしまいます。

その他VPNサーバーへアクセスする負荷なども加わり、結果として通信速度の低下を招きます。

したがって、もともとある程度の通信速度が確保されている環境でなければ、VPN接続後にスムーズな作業ができない恐れがあります。

パケット超過による速度制限が掛からない理由

ISPでトラフィック情報が収集されない

あくまでも憶測にすぎませんが、まず、ISP契約者のパケット量は、アクセスポイントであるISPサーバーで観測されているはずです。

しかし、VPN接続によって通信が暗号化された場合、その観測をスルーしてしまうのではないでしょうか。

そもそもISPを経由しない可能性も考えましたが、それだとVPNサーバーへ辿りつけないと思うので、恐らくスマホのISPでトラフィック情報が収集されていないのが濃厚だと思います。

端末の方にはパケットが順調に加算されていきますが、超過しても制限がかからないという事は、観測しているサーバーと端末で表示されるパケット消費量は別で管理されている事が分かります。

したがって、ISP側からすれば、ユーザーのパケット消費量は端末側に表示される消費量ではなく、あくまでもアクセスポイントで観測されたパケットが正となっている気がします。

まとめ

触れてはいけない領域なのか、それとも大手キャリアではそもそもすでにVPN接続でもトラフィックを観測されているのか、ググっても「VPN接続の速度制限」についてはほぼ情報がありませんでした。

ともかく、すべてのISPで確認したわけではありませんので、VPN接続によるパケット超過回避がどこまで通用しているのかは分かりかねますが、少なからずこれが可能なISPは2つ程確認しています。

まあ、先日楽天モバイルが「1GBまで0円」を打ち出したので、おそらくほとんどのISPではVPNもひっかっかる仕組みだと思うんですけどね。楽天でこれがまかり通ったらどえらいことになっちゃいますから。。

最後に念押しで、故意にVPN接続を利用して制限を回避するのはNGですので、お控えください。

2 COMMENTS

uuk

auでvpn通してますがキャリア側にもパケットが加算されていますのでおそらく大手ISPはVPNの通信もパケット加算されてると思います

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ketunorobio

uuk様
貴重なコメントありがとうございます。
早速記事に反映させていただきます。

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