仕事柄電子機器のメンテナンス、リペアとかやってるんですが、その際に必要なのが「回路図」になります。
ハードウェアの修理にはかかせません。
故障内容でおおかたの部分まで絞る事はある程度の知識があれば可能ですが、故障原因となる部品の特定は難しいです。
今回は電子機器の構成を表す「回路図」について、読み方をまとめたいと思います。
回路図が読めれば、ハードウェアの仕組みがリアルに見えてきます。
目次
回路図の種類について
ブロック図
おおまかな動作の流れを記したのが「ブロック図」になります。
例えばパソコンは、無線部、表示部、オーディオ部、電源部、ストレージなど、機能で分ければ多くのブロックに分ける事が可能です。
各ブロックは「この部品からこの部品をつたってますよ」ってのをざくっと1枚の紙にまとめた感じで記されています。
回路図
設計の段階で作られたものになります。
こちらもブロックごとに分けて記されていますが、ブロック図と異なり、小さなチップ部品など製品を構成する全ての部品の記載があるので、1つのブロックでも複数のページで記されます。
回路の配線もすべて記載されているので、かなり複雑になっています。
製品の構成全体を表すので、小さなチップ部品から全ての部品がどこにつながっているかが記されています。
回路図の読み方
電子部品
まず、電子部品の表記を覚えておく必要があります。
メジャーなものでは抵抗、コンデンサ、ダイオード、トランジスタ、コイルやヒューズなどですね。
サイリスタとかあまり見慣れないものもありますが、ググればすぐわかります。
各部品は「回路番号」が割り振られており、実装されている基板を見るとその番号が分かります。
回路図では「電子部品の表記」と「回路番号」により基板上のどこの部品かが分かるようになってます。
信号の種類
ICからは複数の信号ラインが出入りしています。
各ラインにはそれぞれ何の信号かが分かるようにアルファベットで表記されています。
これもメジャーなものでいえば「TXD(送信データライン)」「RXD(受信データライン)」「A(アドレスライン)」「CLK(クロック信号)」「VCC(電源)」「RST(リセット信号)」などなどです。
データラインの種類は多岐にわたりますが、不明なものはググれば分かります。
信号の向き
基本的には矢印の表記がされていますので、その方向に信号が流れていると捉えることが出来ます。
電源関しては向きの表記はありませんが、元をたどればどのICから供給されてるかが分かります。
ICのピン
レギュレーターIC等は複数のピン(基板に接続されてる足)があります。
回路図では1番から足の数だけ番号が割りふられています。
これを部品と照合する方法は、部品自体に「〇」の刻印があるので、そこを1番とし、半時計周りに2.3.4.と数えていく感じです。
ブロック確認
前途したとおり、回路図もブロックごとで記載さていますが、だいたい複数のページに分けられています。
どこの部分の回路図かを知りたい場合は、基本右下にブロック名とページ数(1/5とか)を見ると分かります。
「回路図の読み方」を理解してハードウェアの仕組みを知ろうまとめ
今の電子機器ってほぼ構造的にはパソコンと同じなんですよね。
なんでPCの自作とかしてる人は「ブロック図」的なものは頭でイメージできると思います。
PCの自作は正に個々のブロックを引っ付けてるだけのような感じでしょう?誰でもできる。
ただ、もっと深堀して、例えばオーディオ機器を一から作るとかってなれば、ブロック図の知識だけでは無理なんですよね。
ICだけでなく、周辺のチップ部品の構成から配線の構成が分からないと駄目ですから。
つまり、回路図が読めて、理解できる脳みそが必要なんですね。
ソフトウェアのエンジニアが脚光を浴び続けていますが、今後もそれは変わらないでしょう。ハードウェアの勉強は時代を逆行している感覚に陥ります。
でもね、ハードウェアあってのソフトウェアなんですよ。
脚光を浴びてない分、ハードウェアの知識をつければ(もちろんソフトウェアも大事)周りのエンジニアと違った価値観が生まれる気がしますけどね。