真夏にクーラーをガンガン使用していると、エアコンの吹き出し口等から水滴が落ちてくる事があります。
多くの場合、この水滴は「結露」した水分であり、基本この結露した水分は必ず発生するのですが、エアコン内部に異常をきたしている場合、前途したように外部へ水分が流出してしまいます。
この水漏れは、大きく分けて2通りの原因が考えられます。
今回はエアコンの水漏れが発生した際の発生原因の特定、そして応急処置方法について簡単にまとめたいと思います。
目次
エアコンの仕組み
冷媒ガスの循環
はじめにエアコンの仕組みについてざくっと説明しておきます。
エアコンは冷媒ガス(蒸発点の温度が低い液体ガス)を循環させ、蒸発時の気化熱を利用して冷たい空気を室内に送り出しています(冷房時)。この時、室外機からは放熱のため温かい空気が送り出されています。
変わって暖房時は、冷媒の循環を逆回転させ、室内には放熱した温かい空気が、室外機では気化熱により冷たい空気が送り出される仕組みになっています。
※詳しくはこちらの記事を参照してください。↓
エアコンの設備
エアコン本体をよく見てみると、200Vの電源と被覆に覆われた太いケーブルが一本、壁を貫通して外部の室外機までつながっています。
この被覆の中には、銅管が2本とドレーンホース1本が収まってます。
銅管の中は冷媒が循環しており、ドレーンホースは室内の吹き出し口で発生した水滴を外部へ排出する役割をはたしています。
結露が発生する仕組み
室内温度と冷房温度の差
夏の室内は温度が高く、また湿気も多く含んでいるのが一般的です。
結果、冷房時には吹き出し口付近の湿気を含んだ空気が一気に冷却されて、液体化するといった仕組みです。海が蒸発して空で冷やされ雲になり雨が降るのと同じですね。
基本この結露はエアコン内部で必ず発生するため、室外へ排出する仕組みが施されていますが、後述するような異常が発生すれば、室内へ水分が送り出されてしまう症状が発生します。
室内への水漏れの原因
ドレーンホースのつまり
1つ目がドレーンホースのつまりですね。これは有名な症状かと思います。
エアコン内部では、結露した水分はまず専用の受け皿(トレイ)で受け止められ、そのトレイからホース(ドレーンホース)を伝って外部へ放出されます。
たとえばこのトレイからホースの道のりのどこかで詰まりなどが発生すれば、トレイにたまった水分が行き場を失い、結果室内へ水分が漏れ出す結果に結びつきます。
最近ではあまりないかと思われますが、過去によくあったのが外部のドレーンホースに虫が入り込んで詰まってしまうのがありましたね。
これ、最悪はドレーンホース内部を伝って、虫たちが室内に入り込む事だってあるので気を付けたいところですね。
冷媒管の被覆の損傷
一般家庭ではあまりない事象かもしれませんが、例えば会社、ビルに設置する大型のエアコン等、配線が天井裏を通る事が多々あるかと思われます。
この天井裏が危険で、まあ普通は大丈夫なんでしょうけども、少し衛生面の悪い場所だっだりすればネズミやイタチが発生するでしょう。
となれば、その動物たちにエアコンの被覆をかじられる危険性も出てきます。実際に結構あるみたいです。。
銅管まではさすがにやられませんが、被覆をめくられるともろに外気との温度差がそこに発生するわけで、結露がおこるんですね。
天井からの水漏れは、こういった可能性もあるので注意が必要です。
水漏れ時の応急措置
ドレーンホースに異物がある場合
ドレーンホースの排出口に詰まりが見受けられた場合、それが原因の可能性が高いので、掃除機などで異物を吸いとります。
過去には口で吸い取る兵もいたらしいですが、怖すぎておすすめしません。
余談ですが、今のドレーンホースは地中に埋め込むタイプが多いらしいです。それなら問題ないですが、地上に出てるタイプであればネットを張る等して、虫が入り込まないようにした方が良いでしょう。
銅管の被覆に損傷がある場合
これはそもそも見つけるのが困難かもしれませんが、ダクトから確認できた場合、損傷部は小さければホームセンター等で被覆が売っているので応急措置は可能でしょう(手が届けばですが)。
注意点は、水漏れが発生していれば、例えば天井に照明のショップラインがある場合はショートする可能性があるので、その付近のブレーカーは必ず落とすことですね。
もちろんエアコンの電源も抜いておくことが前提です。
損傷個所が複数見られる場合や、範囲が大きい場合には業者に頼むしかないですね。
エアコンの水漏れ原因「結露とドレーンホース」についてまとめ
以上、おおまかに水漏れの2パターンについてまとめましたが、基本被覆の損傷が見受けられた場合は水漏れの付近のブレーカーを落として業者を呼ぶのがベストかもしれません。ドレーンホースの詰まりくらいなら何とかなるでしょうけど(室外の詰まりの場合)。
他にもいろいろなケースがあると思いますが、多くはこの2つじゃないでしょうかね。
最後に、冷房運転後はすぐに電源を切らず、30分程送風するのが良しとされています(今は自動でやってるかも)。これはエアコン内部の結露した水分を乾かす意図であり、カビの発生を抑える事につながります。