TVの地上波デジタル放送受信は大きく分けて2つの方法で受信しています。
※TV放送の仕組みについてはコチラ↓
1つ目は「UHFアンテナ」を家庭の屋根に設置し、受信する方法。おそらく多くの方がこの受信方法でTVを視聴しているはずです。
2つ目は「ケーブルTV」や「光ファイバ」などの有線で受信する方法。電波ではないため、雨や建物の影響を受けない事から比較的安全な受信方法になります。
どちらとも基本的には問題なくTV放送を受信できますが、前者であれば自然災害などによるUHFアンテナの故障(破損)、後者であれば契約プロバイダの設備不具合などにより正常にTV放送が受信できなくなる恐れがあります。
今回はそんな場合の応急措置として、簡易アンテナにて地上波デジタル放送を受信する方法をまとめたいと思います。
※TV自体に問題が無いことを前提とし、進めます。
目次
地上波デジタル放送受信について
TV放送受信の仕組みについては、前途した記事にてまとめています。
電波受信にしろ、有線受信にしろ、最終的には「同軸ケーブル」にてTVに接続されます。
電波受信の場合
屋根のUHFアンテナは、アンテナから直接同軸ケーブルにつながっており、途中で分岐して家庭の各部屋まで配線されています。
マンションなどの多くの家庭に分岐させる場合には、受信信号を増幅させるために「ブースター」が各家庭に入る前に設置される事があります。
有線受信の場合
光TVの場合は、家庭の終端装置(ONU)から同軸ケーブルでTVにつながります。
ケーブルTVの場合はセットトップボックス(STB)から同軸ケーブルでTVにつながります。
同軸ケーブルとは
同軸ケーブルは、内部に針のような芯線が一本通っており、そこに電気信号が流れます。
その周りには編線と呼ばれる網目状の銅線が張り巡らされており、これにより外部からの電磁波を遮断する役目をはたしています。シールド線というやつですね。
おもに高周波用のケーブルとして利用されているので、TVの受信用に使われたり、各種測定器などにも使用されています。
地上波デジタルTV信号が受信しない場合の応急措置
TVから壁につながるアンテナ(同軸ケーブル)を抜く
なんらかの異常により、地上波の信号がTVまで来ていないのならば、いっその事壁側のアンテナ(同軸ケーブル)を引っこ抜いてしまいます。
つまり、地上波放送を同軸ケーブルで直接「受信」させるのです。
ただし、加工もなしにそのままの状態だともちろんのこと放送波を受信することができません。
同軸ケーブルの加工
至って簡単です。
テレビのアンテナは、「波長の4分の1」の長さが良しとされています。
こまかい説明は省きますが、長さにすると約12~15cm程になります。
つまり、同軸ケーブルの「芯線」にその長さの銅線をつなげます。
半田づけが一番いいですが、適当にテープなどでとめるだけでもOKです。
ただし、シールド線に触れないよう接続することが肝心です。
出来るだけ家の外側にアンテナを出す
ある程度感度の良い地域であれば、家の中でも上記内容で受信する事が可能です。
ですが、やはり応急措置のアンテナですので、なかなか家の中では感度も悪くなるので受信しません。
しかし、家の外までアンテナを引き出せば、おおかた受信は出来ると思います。
TVが受信できない場合の対処法「地上波デジタル放送を簡易アンテナで受信してみよう」まとめ
近年、異常気象による自然災害が多く発生しています。
台風や地震などにより、インフラに多大なダメージが発生すればTVの受信も出来なくなる事があるでしょう。
正直にいえば、市販されている室内アンテナのほうが確実ではありますが、緊急時の知識として知っておいた方がいいでしょう。
実に簡単な処置で地上波の受信が出来る訳ですから。
必要なのは同軸ケーブルの芯線を延長する「銅線」のみです。
ホームセンターなどで¥100位で売っています。
興味のあるかたは、是非一度試してみて下さい。