5Gサービスが本格的に開始しましたが、まだ通信エリアのカバー率が低く、全国をカバーするのは2025年ごろになると言われています。
そんなさなかではありますが、たびたび「ローカル5G」という言葉を耳にしないでしょうか?スマホのニュースでもちらほら見かけます。
これはなんとなく、調べなくても意味は分かる気がします。名前の通り、「ローカルネットワークを5Gで構築する」です。
ただし、疑問が沸くと思います、それなら「WIFI」でいいのではないかと。わざわざローカル環境で5Gを利用する意味はあるのかと。
私も疑問に思いましたが、調べてみると納得しました。この「ローカル5G」は、家庭やオフィス等ではなく、大規模な施設、つまり空港やスタジアム、工場などでの利用を目的とされているみたいです。
「ローカル5G」の利点は下記のようなものがあります。
・大容量、低遅延、多数接続
・通信エリアが広い
・セキュリティが高い
つまり、WIFIよりもよりセキュアな通信で、かつ広いエリアをカバー出来、多くのデバイスを遅延なく接続させることが出来るのです。
これなら確かに、大きな工場や施設では、導入する意味がありそうな気がします。
それでは「ローカル5G」について、通常の5Gとの違い、WIFIとの違い、メリット、デメリット、等についてまとめたいと思います。
目次
ローカル5Gについて
通常の5Gとの違い
通常の5Gは、キャリアのコアネットワーク(基地局や交換機など)に接続することによって通信を行います。主に「WAN」接続を目的とした5G通信ですね。
変わってローカル5Gは、キャリアのコアネットワークは利用しません。名前の通り、「ローカル」接続を目的とした通信になります。つまり、家庭で構築している「無線LAN」を5Gで構築するような感じです。
簡単に説明すると、家庭の「WIFIルーター」を「5Gの基地局」に置き換えるようなものです。
ローカルに設置した5Gの基地局には、閉じられた環境を構築するような設定がされるので、ローカルでも5G通信が利用できるのです。
WIFIとの違い
まず、ローカル5GではWIFIに比べて通信エリアが格段に広くなります。これは基地局を利用しているから成せる業だと思います。
次にセキュリティ面です、SIMフリースマホでお馴染みの「APN」「パスワード」「SIMカード」が必要になります。つまり、ローカル5G用に契約したSIMカードがなければアクセス出来ないってことになります。これはWIFIのSSIDに比べると格段にセキュアな接続になると思います。
最後に5Gの3大要素「大容量」「低遅延」「多数接続」になります。低遅延、多数接続などはWIFIより優れていると言えそうですね。つまりIOTの要素が強い印象があります。
メリット
ローカルで5G通信が利用できる
LAN内で5Gの3大要素が利用できるので、例えば大規模な工場などでは、多くのデバイスを同時に多数接続し、測定したいデータを一気に取得する事が可能になるなど、人手をかけずに生産性を上げることが出来そうです。
IOTの要素が強いですね。
通信エリアが広い
基地局の設置によって、比較的広範囲にまで5Gによる無線通信が可能になります。
大規模な工場でいえば、今までいくつもの無線LANを設置していたような事がなくなりますし、有線のケーブルも無くなります。よりスマートな環境の構築が可能になります。
また、建屋を超えた通信も届くみたいですので、かなりの広範囲を1つの基地局でカバーし、かつ同じLANにする事も可能ってことになります。
セキュリティが高い
SIMカードを使った通信になるみたいですので、ローカル通信用の専用SIMが必要です。「APN」「パスワード」も必要なので、WIFIのSSID接続と比べると、もちろんセキュリティ面では高くなります。
また、基地局から放出される電波も、一定の距離で押さえるような設定も可能みたいですので、外部からの侵入も抑える事が出来ます。
デメリット
基地局(コアネットワーク)設置費用が高い
基地局を設置しちゃう訳ですから、それはもう高額になるみたいですね。
基地局1台につき数百万、そのほかのネットワーク機器も含めるとざっと千万はかかるそうです。
こういった面も、大規模な施設しか向いていないですね。
免許の申請が必要
キャリアが運用するわけではないので、ローカルに5Gを導入する側にはもちろん「免許」が必要になります。
高出力の電波を発する基地局を敷地内に持つ事になりますから、それを管理する技術者などが必要になるんですね。
技適の申請はもちろん、無線従事者も必要になるみたいです。
まとめ
・ローカル5Gはそのままの意味
・WIFIとの違いは基地局を利用しLANを構築しているところ
・IOT要素が強い
・大規模施設向け
・通信エリアが広く、セキュリティが高い
・設置費用が高い
・免許が必要
以上から、大企業向けのサービスになるかと思われます。なんせ導入のハードルが高い、基地局を設置するってすごいですよね。
すでにいくつかの大手企業で導入しているみたいですので、今後も増えていくかもしれません。導入できる力さえあれば、キャリアに頼らず優先で自社の敷地内に5Gネットワークを構築できますから。
いずれは一般家庭もローカル5Gのような仕組みを導入できるかと思いますが、メリットがあまり見えないので、それはまだ先になりそうですね。